[ 印刷と加工 ]

■印刷と加工
・表面加工の種類
・ビニール引きは安く、早くできる
・プレスコートは熱圧着によって艶を出す
・フィルム貼りは最も光沢がでる
・接着剤不要のPPフィルム
・特殊な表面加工
・表面加工は紅(あか)浮きになりやすい
・表面加工で失敗しないために
■印刷物の付加価値を高める加工
・箔押し(ホットスタンピング)用の箔
・加工の方法と指定のポイント
・空押しとエンボス加工
・抜き打ち(型抜き)
・抜き刃の種類とその特徴
・様々な方法による折り目つけ
・穴開け加工・穴の位置


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 雑誌の表紙やショッピングバッグ、商品パッケージなどは、印刷が終わったらすぐ製袋(せいたい)・製函(せいかん)の作業に移るとは限りません。多くの場合は印刷後、紙に表面加工を施します。この加工の目的は印刷した紙に光沢を与えることですが、加工のやり方によって耐水性や耐摩擦性、耐熱性なども高まり、印刷物に強度を与えることになります。


<表面加工の種類>

 表面加工は専門の会社で行うのが一般的ですが、印刷所で塗料を印刷するニス刷りという方法もあります。これはOP(Over Print)ワニスとかOPニスと呼ばれる無色透明、あるいは半透明の塗料を最終インクとして使用し紙に印刷するものです。オフセット印刷やグラビア印刷を行いますが、加工に時間がかからず、版を作れば一部分だけニス刷りすることも可能です。
 印刷とほぼ同時に行うニス刷りを除けば、表面加工は次の3種類に大別できます。
 1 ビニール引き
 2 プレスコート(プレス加工・ミラープレス)
 3 フィルム貼り(ラミネート加工)
 これらは加工の方法や材料によってさらに細かく分けられますが、いずれも印刷物の表面に光沢を与え、水分や摩擦、熱などから印刷物を守るのに有効です。

■紙に対する加工のいろいろ
1.表面加工
2.エンボス(浮き出し)
3.空押し
4.箔押し(ホットスタンピング)
5.打ち抜き(型抜き・折り目つけ)
6.筋押し(筋つけ・折り目つけ)
7.ミシン
8.穴あけ
9.貼り込み
10.折り
11.製本・製袋・製函
紙の表面加工の種類
1.OPニス
2.ビニール引き(ニス引き)
3.プレスコート(プレス加工・ミラープレス)
4.フィルム張り(ラミネート加工)
  PP貼り
  塩ビ貼り
  硬質塩ビ貼り
■表面加工の種類と特徴
ビニール引き プレスコート フィルム貼り 備  考
耐摩擦性
耐熱性
耐寒性
耐湿性
耐引き裂き性
光沢の度合い
マット加工の可否 ×
スポット加工の可否 × フィルム貼りは特殊加工を施すことで同様の効果がえられます。


糊づけ × × × 特殊な素材を使えば可能なこともあります。
刷り込み × × ×
箔押し 箔の種類を変える必要がある。
加工の早さ 紙質などに応じてスピードを変える
加工代 安価 高価 マット加工は艶出しより高価


<ビニール引きは安く、早くできる>

 塩ビ(塩化ビニール)系合成樹脂と速乾性ニスを混ぜた塗料を、ビニール塗布機のローラーで塗布し、赤外線ヒーターで溶剤を蒸発させて紙に定着させます。塗料の厚さは3〜6μ(1μ=1/1000mm)。一度でだめなら二度引きしますが、塗料を塗り過ぎると乾きが遅くなります。
 一工程で済むため加工時間は短く、他の方式より安価で加工でき、また塗料の種類を変えることによって艶出し、艶消し、耐油、耐水など、目的に合った加工が出来ることが利点です。原理的には塗料を塗るだけですから、凹凸のある紙にも加工が可能です。その反面、紙の凹凸がそのまま残ることになりますから、表面の平滑性は低く、他の方式に比べると光沢が出ないことになります。
 他の欠点としては比較的摩擦に弱く、傷がつきやすいことや、高温・高湿に弱いことが挙げられます。ビニール加工したものを高温・高湿のところに置いたり、合成皮革など可塑剤(個体に圧力をかけた時に変形してしまう性質を与えて加工しやすくなるよう合成樹脂やゴムなどの原料に混ぜるもの)を含んだものに長期間密着させておいたりすると、塗料が軟化してブロッキングを起こすことがあります。ブロッキングとは印刷物を重ねて置いた時。インクが持つ粘着力のために印刷物同士がくっついてしまう現象のことで、ビニール引きしたもの同士でも起こります。ビニール引きはラベルや化粧品のパッケージ、トランプ等に利用されます。


<プレスコートは熱圧着によって艶を出す>

 ビニール引きしたものを熱プレスし、平滑性や光沢を出すのがプレスコートで、薬や玩具のパッケージ、ブックカバー等に利用させています。
 加工は、塩ビ系樹脂の液体に離型剤を混ぜた塗料をビニール塗布機で6μほどの厚さに塗り、熱乾燥して溶剤を蒸発させたら熱プレスし、冷却します。
 プレスの方法には平プレスとエンドプレスの2通りあります。平プレスは光沢がよくでますが、加工が面倒で時間がかかるため、現在はエンドプレスが主流になっています。エンドプレス機は写真の乾燥、艶だしに使う乾燥機を大型にしたようなものです。ステンレス板をエンドレスで回転させ、塗料を塗った印刷物に100〜130℃の熱と200〜300kgの圧力をかけて平滑性を高め、光沢を出します。加工代はビニール引きと、次に出てくるフィルム貼りの中間位です。
 凹凸のある紙にプレス加工すると、圧力によって凹凸がつぶれたり、凸部だけ艶が出て凹部は艶が出ない「艶ムラ」が起きます。また、プレス加工したものは湿度に影響されやすく、多湿の場合は光沢が引け、乾燥させると紙の中の水分が失われて折り曲げた時にヒビ割れを生じることがあります。ビニール引きと同じく条件によってブロッキングを起こす場合もあります。



<フィルム貼りは最も光沢がでる>
 PP(ポリプロピレン)や塩ビフィルムを貼り付け、熱プレスして光沢を出すフィルム貼りは、両面貼りや窓貼り(紙に窓をあけ、窓の部分にもフィルムをかける加工)もできます。本の表紙や手提げ袋、下敷き、商品パッケージなどに利用され、ラミネート加工とか、あるいは貼る材料によってPP貼り、塩ビ貼りとも言われます。
 PP貼りの場合は、フィルムに接着剤を塗布し、赤外線ヒーターで接着剤の中の溶剤を蒸発させてから印刷物に重ねて熱プレスし、光沢を出します。窓貼りの場合はフィルムでなく、印刷物の方に接着剤を塗布します。他の方式に比べるとフィルム自体にも光沢があるため艶が長持ちし、耐水性や耐摩擦性もあり、高温・多湿の状態にしてもブロッキングが起きにくいのが利点です。


<接着剤不要のPPフィルム>

 今ではPP貼り用フィルムに接着剤を使わなくても加工できるようフィルム自体に接着層を含んだものが主流になっています。接着剤を使わないということは溶剤も使わないわけですから、溶剤に起因するトラブルも起こりません。従来の方式に比べると耐熱性、耐水性、耐光性が向上し、トンネリング現象が起きにくく、熱と圧さえ間違わなければ品質は安定しています。フィルムへの接着剤塗布、熱乾燥という工程が不要ですから工程の簡素化につながり、環境の問題も含めて大部分が接着剤付きのフィルムを使うようになりました。


<特殊な表面加工>

 マット加工は表面加工本来の目的である光沢(艶)出しと正反対の効果になりますが、しっとりとした高級感がありパッケージや本の表紙等に使われます。マット加工はビニール引きなら艶消し塗料、フィルム貼りならマットフィルムを使って行います。プレスコートは工程の関係でマット加工は出来ません。
 表面加工をした後は、その面に印刷することも、油性のペン以外の筆記用具で文字を書くことも出来ません。そのため、教科書の表紙の名前記入欄、箱の製造番号スタンプ欄などはその部分だけ表面加工を行わないのが一般的です。全体の中の一部分だけを除いて加工することをスポット加工、部分抜きと呼びます。
 ただし、フィルム貼りはスポット加工をすることができません。フィルム貼りをした後に特殊な処理を行い、スポット加工と同じような効果を得る事は出来ますが、加工代が高く、加工所も限定されますのでお薦めできません。
 表面加工を施した部分は接着力が弱くなる、という傾向があります。ところが一方では、化粧箱のように表面加工を施した上で糊づけする必要のあるものがあります。その場合には、ビニール引きやプレスコートなら接着剤がつく部分をスポット加工するのが一つの方法。塩ビ系樹脂の貼りあわせが出来る特殊な接着剤も使えます。フィルム貼りなら糊づけ可能なフィルムを使用します。表面加工したものに型抜き、エンボス、箔押しといった処理を施すことはいずれも可能です。


<表面加工は紅(あか)浮きになりやすい>
 デザイン面から表面加工について考える時、一番気になるのは表面加工をした場合としない場合で色がどう変わるかです。この点に関しては大きな変化はありません。ただし、ローズやベニ系など、染め付け顔料を使った色は溶剤によってブリード(印刷用インクに含まれる顔料が溶剤や油、水、可塑剤などに溶けて色がにじみ出すこと。泣き出しとも言う)し、紅浮きを起こすことがあります。また、PP貼りなどは接着剤の中の溶剤が残っていると、しばらくするうちに黄色っぽく変色してしまうことがあります。
 艶出し加工なら光沢のあるセロハンテープ、マット加工ならマット調のメンディングテープなどを印刷物に貼り付けてみれば、その印刷物に表面加工を施した場合の大まかな感じがつかめます。
 PP貼りは粒子の大きい金・銀・蛍光インクに弱く、剥離現象を起こすことがある、墨や紫など濃い色の面積が拾い場合にPP貼りをするとパウダーが白い点となって残ることがあるなどは、知っておいた方が良いでしょう。


<表面加工で失敗しないために>
 表面加工を行う場合は耐溶剤性インク、熱処理を伴うプレスコートやフィルム貼りの場合は耐熱性インクを使って印刷しなければなりません。また、表面加工を終えた印刷物に後から刷り込むのは不可能ですから、刷り込む必要のある場合は箔押しを行うケースが多いようです。箔押しは表面加工の前でも後でも可能ですが前と後では箔の材質を変えなければならないため、箔押し加工所に連絡しておくことが必要になります。
 印刷用紙について言えば、上質以下のランクの紙は平滑性が劣る上、紙が塗料を吸い込んでしまうため、表面加工には適しません。アート紙やコート紙が適しています。加工の機械にかかるのはB四裁(約382×542mm)から四六全判(788×1091mm)までですが、それ以外のサイズでも加工できることがありますから相談して下さい。なお、表面加工の場合も、原則として印刷の時と同じ位置に咬え代(くわえしろ)が必要になります。咬え、咬え尻、左右それぞれ10mm程度の部分は表面加工できません。
 印刷終了後、表面加工するまでは1日程印刷物を寝かしインクを充分乾かさなくてはなりません。そうしないと、塗料と混じり合って化学反応を起こしたインクが変色したり、フィルム貼りの場合はトンネリングを起こす要因ともなります。表面加工が終わってから、製本や製函などの後工程へ移るまでは、最低半日は待った方が良いでしょう。


■印刷物の付加価値を高める加工

 紙の表面加工以外にも、印刷物に施す加工は色々あります。加工の目的も様々で印刷物の品質を高めるために行うものもあれば、印刷物の用途に応じてより使いやすくするための加工もあります。ここでは、それらの中から比較的よく行われるもの、応用範囲が広いものを選び、加工の方法や指定上の注意点を解説します。


<箔押し(ホットスタンピング)用の箔>
 箔押し(ホットスタンピング)やエンボス(浮き出し)、空押しは印刷物を美しく見せるために良く使われ、デザイン的な要素が強い加工です。
 それに対して折りや筋押し、ミシン、糊づけなどはそれ自体が最終加工であることもあれば製本や製函作業の中の一工程として考えられることもあります。その際は折りと糊づけなど複数の加工が組み合わされることもあります。また、綴じ込み用はがきを切り取りやすくするために入れるミシン目などは、印刷物の使用目的を考え、その機能を高める(あるいはより使いやすくする)ための加工、と言えます。次にそれらの加工法を紹介します。
 箔押しとは、箔と加熱した版を使い、本の表紙などに文字や絵柄を入れるもので、かなり古くから行われている加工です。金箔、銀箔を使って紙に箔押しすれば、金や銀インクで印刷するよりも光沢があって豪華な感じになるためポスターにも使用されます。現在では紙や布クロス、皮以外に木や塩ビ、ポリプロピレン、アクリルなど色々な素材に箔押しが可能です。
 さて箔押しに使われる箔ですが、これは本来、金・銀・銅・錫(すず)などの金属を極めて薄く、平らに伸ばしたものです。金や銀は高価なため、代わりに真鍮(銅と亜鉛の合金。黄銅とも言う)や着色したアルミニウムを使うことがあります。真鍮箔やアルミ箔を代用箔と呼びますが、代用箔は値段が安いかわりに変色しやすいのが欠点です。これらを総称して金属箔とも言います。
 金属箔に対し、色箔と呼ばれるものがあります。これは顔料や染料に膠(にかわ)などの接着剤を良く混ぜ、固めてから極く薄く伸ばしたもので、使用する顔料や染料によって様々な色が作り出せます。形状としては、金属箔も色箔もシートとロールがあります。
 こうした箔の作り方も現在では全く変わってきました。従来通りの製法も残っていますが、現在の主流はポリエステルやポリプロピレンのフィルムをベースにし、剥離剤を塗った上にアルミニウムなどの金属を真空蒸着させるか、または顔料や染料をコーティングし、最後に熱溶解性の接着剤の種類を代えますが、こうなると熱転写箔と言った方が良く、箔押しに代わってホットスタンピングとも呼ばれます。このタイプの箔は、ほとんどロール状です。


<加工の方法と指定のポイント>
 箔押しに使う版は、金版と呼ばれます。15mm程の真鍮や鋼鉄に彫刻した彫刻版と2mm程の銅や亜鉛を腐食させた凸版とがありますが、前者は耐久性がある代わりに高価で、ロットが少ない場合は後者が使われます。
 金版はいずれも線画部が凸状になっており、これを箔押し機のチェースと呼ばれる枠にセットして加熱しながら箔と紙に押し当てると、凸状の部分だけ箔が紙に転写されます。加工時間や温度は、紙や皮などは100〜120℃で0.5秒、合成皮革やアクリル、塩ビなどは110〜180℃で1秒という具合に素材によって異なります。
 箔押しの指定は、レイアウト用紙や校正紙などに箔押しする位置を書き込み、箔の指定をして文字や絵柄の版下と一緒に入稿します。箔の色は100種類以上ありますので、見本帳も用意されていますが相談した上でサンプル品に箔をつけてもらったりすると良いでしょう。なお、10級以下の明朝体の横線、特太ゴシックで打った画数の多い文字などは、線がかすれたり箔がからんで再現性が悪くなる可能性があるため、避けた方が無難です。


<空押しとエンボス加工>
 空押しとは、箔を使わずに金版で素材を強着するもので、上製本の表紙などに行われる加工です。薄い紙や厚くてもコシのない紙では凹んだ部分が元に戻り、効果がありません。加工には箔押し機を使うのが普通です。
 一方のエンボス(Emboss=浮き上がらせる。浮き彫りで飾る)加工とは、その言葉通り紙を浮き上がらせるもので、浮き出し加工とも言われます。
 紙の中に、表面に凹凸がついたエンボス紙というのがありますが、これは凹凸模様を彫刻した金属ローラーで湿り気を持たせた紙を強圧し、乾燥させたもの。凹凸の深さは、ローラーに彫る模様の深さによって決まりますが、エンボス加工も同じような原理です。プラスチックなどで作った凸状の型と、金属で作った凹状の型の間に紙を通し、圧力を加えて紙を浮き上がらせますが、コシのある紙を使った方が効果的なのは空押しと同じです。
 専用のエンボス機もありますが、箔押し機や凸版印刷機、打ち抜き機を代用し、箔押しや打ち抜きと同時に加工することもあります。
 空押し、エンボスのいずれも、加工する位置がはっきりわかるような指定と版下が必要ですが、小さな文字の処理やどの程度凹ませたり浮き上がらせるかについては素材との関係もありますので相談して下さい。


<抜き打ち(型抜き)>
 抜き打ちとは、指定通りの形に作った抜き刃(切り刃とも言う)を使って、紙などの素材を打ち抜くことで、型抜きとも呼ばれます。シールやラベル、子供向け雑誌の付録についてくるお面などに使われる加工です。
 この加工のポイントとなる抜き刃は、指定に合わせて作ります。どういう形に打ち抜くかは校正紙に指定するのが確実ですが、抜き刃の作成に一週間程かかるため、急ぐ場合はレイアウト用紙や版下台紙を元に指定することもあります。指定そのものは、打ち抜く形通りに表罫を引くだけですが、完全に打ち抜かず元の紙にくっつけておきたい場合は、線の数ヵ所を1mm程度離し、その部分は抜かない旨の注意書きを入れます。
 また、全面写真や全面ベタの絵柄の輪郭に合わせて打ち抜く場合は、全面写真のポスターをレイアウトする時の裁ち代と同じような抜き代が必要です。これは、抜き刃が多少ズレても打ち抜いたものの端に白い余白が出るのを防ぐためです。抜き代の幅は加工業者によって異なりますから相談して下さい。



<抜き刃の種類とその特徴>
 抜き刃には、ゼンマイ刃、彫刻刃、ロータリーカッターがあります。ゼンマイ刃は厚さ0.5〜1mm、幅23.6mm程度の鋼鉄板の片側を鋭く削ったもの。これを打ち抜く形に合わせ、糸鋸やレーザー光で切った18mm程のベニヤ板やプラスチック板の抜き型にはめ込み、打ち抜いた素材やカス(打ち抜いて残った不要な部分)が型の中にはまらないよう、刃のまわりにはスポンジを入れます。ゼンマイ刃は1枚の鋼鉄居たを曲げるだけのため、最低一ヵ所は継ぎ目ができてしまい、完全居打ち抜くものには不向きです。他の刃に比べて約10万回と耐久性は低いものの早く、安くできます。
 これに対し、彫刻刃は打ち抜く形が凸状に残るよう、鋼鉄の板を削って、先を鋭い刃にしたものです。高価で製作時間もかかる反面、丈夫でゼンマイ刃のような継ぎ目もありませんから、完全に打ち抜く必要のあるものとか固い紙に印刷したものに良く使われます。
 ロータリーカッターも鋼鉄を削って作りますが、この場合の鋼鉄は板状ではなく円筒です。曲面を打ち抜く形に合わせて削り、先をとがらせるため製作時間も製作コストも一番かかります。しかし耐久性があり、刃を回転させることによってエンドレスに打ち抜き加工が行えます。


<様々な方法による折り目つけ>
 他面付けによって16頁分をまとめて刷った紙を16頁折りにする場合とか、折りたたみ式の紙箱など厚い紙をおる場合は、折り目を入れないときれいに折れません。この作業が折り目つけで、加工法には筋押し(筋つけ)、ハーフカット、ミシンがあります。
 筋押しの原理は打つ抜きと同じですが、抜き圧(打ち抜くための圧力)や刃の高さを調整してハーフカットにするか、あるいは抜き刃の先を少し丸めた折り付け刃を使って強圧します。折り付けの刃を使う筋押しの場合、刃が当たる部分に雌型を置き、この間を通る紙に折り目をつけます。
 ミシンは折り目つけに使う他、綴じ込みはがきを切り取りやすくするためにも使われる加工で、ミシン刃を使います。ミシン刃は鋸刃状で、ロータリー式のものは回転鋸のような形です。凹部(継ぎ目)と凸部(切れ目)の比率を変えることによって切り取りやすさが変わり、切れ目の多い方が切りやすくなりますが、1対3程度が見た目にもきれいです。指定は、校正紙やレイアウト用紙にミシン目を入れる位置を書き込み、ブランク0.8mm、カット2.5mmというように指示します。



<穴開け加工・穴の位置>
 ファイル式のカタログやマニュアル、荷札、コンピュータ帳票、システム手帳用の印刷物などは、印刷や製本後に穴開け(パンチング)加工をします。
 穴開け加工は穿孔機を使ってドリルで、あるいは打ち抜き機を使って切り刃で行います。コンピュータ帳票等連続した紙に等間隔の穴を開ける場合は、ロータリーカッターを使うことでエンドレスに作業が行えます。ドリル式は強力ですが、丸穴しか開けられず、打ち抜き(プレス)式は穴の形が自由になるという特徴があります。穴開け加工を行う印刷物については、穴の位置に文字がきたりしないように気をつけてレイアウトする必要があります。
 ファイル用の穴には2穴、3穴、4穴など様々あり多穴式バインダーでは26穴、30穴などもっと増えます。
JISでは事務用ファイルの金具について、穴の直径4.0mm〜5.5mm、穴の中心から中心まで80±0.5mm、穴の位置は紙のへりの中央に対して対称と決めているため、直径8mm、穴の間隔80mm、ノドから穴の中心まで8〜10mm程度の穴を開けるのが普通です。また多穴式バインダーについては穴の間隔9.5±1mmと規定しているため、紙のサイズによってB5S(SはSide openingの略で紙の長辺を綴じるもの)やB4E(EはEnd openingの略で紙の短辺を綴じるもの)は26穴、A4SやA3Eは30穴が標準になります。